Simon Johnson
[16日 ロイター] - 米大統領選 をめぐる現段階の疑問点としては、共和党候補指名を確実にしたドナルド・トランプ氏が本選で勝利して大統領となった場合、何をするかが挙げられる。
少なくとも経済面では、この先どうなるかを最近垣間見ることができた。財政に関するヒントは、米国の安全保障を含めたより幅広い問題への影響があることがうかがえる。
トランプ氏は、あたかも自身が所有する企業の1つのように連邦政府を切り盛りできると主張する。同氏は不動産デベロッパーとしては非常に独特のスタイルを持ち、ビジネス全般への取り組みが実際に財政・金融政策に応用できるかもしれない。しかしあなたがトランプ氏が何をしたがっているかについてどう想定しようとも、結局は世界的な規模でかつてないほどの大惨事がもたらされかねない。
トランプ氏は既に、相矛盾するコメントを平気で連発できる人物であることが証明されている。大統領になってもそうした態度を取れば、投資家はおびえ、大きな不確実性が生まれ、金利が上昇して雇用は減少し、株価を押し下げて他の資産価格もつれ安になるだろう。
この種の不安定化は単に、米国の投資家や消費者の信頼感にマイナス効果を及ぼすだけでは済まない。あっという間に影響が世界中に広がり、金利上昇や民間企業の倒産をもたらし、いくつかの国はデフォルト(債務不履行)と景気後退の悪循環に陥る。当然ながらこうしたシナリオの下では、米国の輸出は落ち込む。なぜなら米国の同盟国や貿易相手は深刻な危機に陥り、米国製品を買う余裕などなくなるからだ。
トランプ氏の負の波及効果は、金利上昇が世界中で破壊的に広がっていくという形になるだろう。
トランプ氏は、責任ある企業経営者とみなされたがっている。だが皮肉なことに、中南米系の人々やその他の移民に対する彼の敵意を踏まえれば、むしろそのメッセージは、無責任な大衆迎合主義者(ポピュリスト)として中南米経済を何度も滅茶苦茶にしてきた面々と最も相通じる。債務、物価、金融規制というマクロ経済における3大問題において、トランプ氏は米国を確実にアルゼンチン化する道筋をたどらせるだろう。アルゼンチンも、ポピュリストのフアン・ペロンとエバ・ペロンが政治権力を掌握するまでは、前途洋々たる国家だった。
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